第12回 歯科医師夫婦のつれづれ手帖〜こどもの本の素敵な教え マジックツリーハウスから

歯科医師夫婦のつれづれ手帖は、歯科医院を共に営む夫(真面目なのでここではマジオ君)とともに、医院を訪れる患者さんに自分たちの人となりを知ってもらいたいという気持ちから、2014年から書き始めた小さな文章。
なんだかんだで続いています。
ルールは2つだけ。
1 必ず毎月、どちらかが書く。
2 内容は、歯科治療以外のこととする。

歯科医師夫婦のつれづれ手帖Vol 12 〜こどもの本の素敵な教え マジックツリーハウスから

我が家の小3の息子が学校の図書館で見つけ、現在はまりにはまっている本がある。

アメリカの作家、メアリーオズボーン作の児童書界のベストセラー、「マジックツリーハウス」シリーズである。(写真は角川文庫ホームページより)

アメリカに住む気弱な兄ジャックと、お転婆な妹アニー。魔法のツリーハウスを使って時空を越え、歴史上の重要な本を集める魔法使いの司書モーガンの要請を受けた二人が、いろんな歴史上の人を訪ねたり、本や「言葉」を集めたりする、絵にかいたようなファンタジックストーリーである。

しかし児童書というものはやはり奥が深い。単なるファンタジーでは終わらず、歴史上の有名な出来事や偉人に現代っ子のジャックとアニーが遭遇し、危険をともにすることにより、彼らは素晴らしい経験をし、有名無名の友人を得、そして大きな教訓を得る。

たとえば・・・

「27巻 モーツアルトと魔法の笛」才能に恵まれながら音楽が好きになれなかった子供のころのモーツアルト。ある日、舞踏会を抜け出し野生の動物に追いかけられた時、必死でふいた笛の音に、動物たちがたちまちおとなしくなる。音楽の力に気づいて・・・オペラ曲「魔笛」の誕生秘話。

「12巻 夜明けの大地震」サンフランシスコ大地震のあとの子供たちの言葉「水も、石鹸も、洋服もない。でも僕たちにはまだ、希望がある」数日後の新聞に大きく載せられた。

物語の真偽は不明だが、息子は毎日一冊ずつ本を借りてきて、夜のうちに私に読んでおくように言う。話を共有したいのだ。仕方なく、眠い目をこすりながらななめ読みする。しかし、いつの間にか話に引き込まれ、恥ずかしながら知らなかった世界の歴史や、有名な人の逸話、宝石のようにきらめく寓話に夢中になる。37巻完読まで、あと何日かかるか気が遠くなるが、楽しみでもある。

何より、新しいクラスになじむのに少々時間がかかっていた息子が、この本のおかげで「ツリーハウス仲間」を数人見つけ、図書館通いにいそしんでいる。

親愛なるメアリー・オズボーン様・・・心より感謝申し上げます。

(MDCニュースレター2015年6月号より のあみ)

回想版 子供は成長すれど、名著はいつまでも

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こんな時期もあったんだなあ。中2の今は、反抗期真っ只中

さて、我が家の次男。マジックツリーハウスの後は、ハリポタシリーズに没頭し、中2のいまは「Re:ゼロから始まる異世界生活」(リゼロ)に夢中。相変わらず「読んでおくように」と本を貸し出されておりますが、マジックツリーハウスに比べ字数が多いリゼロはなかなか読み進めず、2巻の途中で母は挫折中です。

2015年当時、37巻までだった「マジックツリーハウス」は、なんと2021年現在48巻まで発行されています。子供は成長し、読む本も変わっていきますが、質の良い児童書は永遠に多くの子供たちに読まれていくのでしょう。次にこのシリーズを目にするのは、孫に読み聞かせをする時か!?楽しみなような、まだまだノーサンキューなような。

 

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