A Happy New Year!! 2023

あけましておめでとうございます。
歯科医師の松浦直美です。
12月30日からお正月休みに入ったわけですが、なんと夫婦二人でガタガタと体調を崩し、楽しみにしていた休日も、連日近所の温泉通いの年寄り夫婦状態で年が明けました。
普段、細かいところを凝視して、神経を使う仕事をしているせいか、定期的に腰や肩を痛めているのですが、やはり休みに入ると気が抜けるのか、今回は二人一緒に、こっぴどく症状が出ました。
そういえば、父が亡くなった後、一人で中学教師として私の大学生活を支えてくれていた母は、お正月になるとよく体を壊し、休日の救急病院にお世話になっていたのを思い出しました。
長い2学期の総括、試験、そして成績評価など、学校の先生のお正月前の忙しさは大きかったらしく、どっと疲れが出ていたのでしょう。母はその頃から、年賀状を書くのもいっさいやめました。
さて、思い出話から現在に戻りましょう。
歯科医師が体を壊しやすい原因の一つには、やはり「過労」があるかと思います。
他の先進諸国に比べて、驚くほど低く抑えられている国民保険の「診療報酬」のため、ある程度の人数をスピード感を持って診ていく必要があります。しかも、他の国より安いんだもん!などといって手を抜くことは許されず、きちんとした治療をしなければ、あっというまに患者さんは離れていってしまいます。
治療に時間を割かれ、患者さんとゆっくり話ができる時間を取れないことも多く、歯科医師もスタッフも疲弊します。
その「悪循環」のようなものを断ち切って、患者さんにも、歯科医療従事者にも大きな光となるのが、「定期メインテナンスの普及」だと思っています。
定期メインテナンスを受けている患者さんは、治療が必要になることは少なく、必要になっても「ちょっとした」治療で済むことが多いです。
当院でも、ずっと定期メインテナンスの啓蒙、そして普及に取り組んで参りましたが、昨年の半ばあたりから、とうとう「メインテナンス」の予約患者さんの数が「治療」の患者さんより多くなりました。
それに伴って、あきらかに歯科医師による治療部門がゆったりしてきたのとともに、患者さんとゆっくり治療の説明や、世間話などができる時間が増えたと感じています。
治療が減れば、「経営は大丈夫か?」と心配になるところでしょうが、メインテナンスに通ってくださる方が多ければ、その心配はありません。
メインテナンスで健康への意識が高まる方はとても多く、さらにじっくり話ができるようになることで、何か歯科治療が必要になった時には、もっと良い結果が出せる「保険外治療」を選んでもらうことも多くなります。もちろん、保険内での治療を選ばれた方にも、しっかりと時間をかけて治療できることで、さらに信頼してもらい、その後もしっかりと定期メインテナンスに通っていただけるのです。
それにしても、長年の「体の酷使」によるガタつきには気をつけなければ!と思っています。
診療に時間を割けるようになったことで、今院長と二人とりくんでいるのが「歯科用マイクロスコープ」の活用。(写真はモリタHPより)
マイクロスコープとは、「顕微鏡」のことで、口の中が大きく、明るく見えることで、より精密で正確な治療ができると言われています。精密治療は時間がかかりますが、「定期メインテナンス」に通う方が増えて「治療」に割ける時間が増えた今なら、十分に取り入れていくことが可能です。
現在、6〜8倍の大きさに拡大されて見えるメガネ型の「拡大鏡」をかけて診療していますが、重くて鼻の付け根や頭が疲れるのと、その重さをつけて口の中を覗き込まなければならないのが難点。
マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)は、倍率は拡大鏡とそんなに変わりませんが、なんといっても明るいのと、写真でわかるように、姿勢よく診療できるのが最大の利点です。
ただ、やはり長年の診療体制を変えるのは容易ではなく、マイクロスコープの習得には時間がかかります。
今年の目標は、保険治療、自費治療関係なく、「必要な時に」マイクロスコープを使った診療がストレスなくできること。
継続した「定期メインテナンス」の啓蒙とともに、大きく掲げたいと思います。
まずは、今日も温泉に行ってきますね。