夢を引き継ぐ 〜歯科医師夫婦のつれづれ手帖 Vol 137
「歯科医師夫婦のつれづれ手帖」は、2010年から歯科医院を営む夫婦が、医院を訪れる患者さんに自分たちの人となりを知ってもらいたいという気持ちから、2014年より院内新聞の一角に書き始めた小さな文章。なんだかんだ言ってもう11年、続いています。
ルールは2つだけ。
ルール1 必ず毎月、どちらかが書く
ルール2 内容は、歯科治療以外のこととする(時々ルール違反あり)
さて、2026年になりました。今回は院長が、新年にあらためて、当院を支えてくれる方への当院のあり方について、考えを書いてくれました。
第137回 夢を引き継ぐ
学会などで訪ねた街で美術館や博物館に足を運ぶことは、以前にも紹介したところです。
昨年11月には、東京都美術館で開催されていた「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」を観ました。世界的画家と認められるフィンセント・ファン・ゴッホ。今では誰もが知る存在です。
しかし、生前の彼はほとんど評価されることはなく、困難の中で制作を続けていました。
ゴッホの才能を信じていた弟のテオが、経済的にも精神的にも兄を支え 続けたことは聞いたことがありました。しかし、テオもゴッホの半年後に亡くなり、その後はテオの妻ヨーが作品と手紙を守り、展覧会や出版を通じて世に広めたことは知りませんでした。
さらに、テオとヨーの息子である フィンセント・ウィレムが財団を設立、美術館を開館しコレクションの散逸を防いだため、100年後の人々にも 自らの絵が見られることを望んだ画家の夢がかなえられ、今日まで引き継がれているのです。
また、今回の展覧会で気づいたことがもう一つあります。
ゴッホの作風は、精神状態に合わせて劇的に変化しており、それには環境や人との出会いが大きく影響しているということです。初期は暗く、重い写実的な表現でしたが、テオを頼ってパリに移住し印象派の画家たちと出会った後は、明るい色彩、補色の採用などを取り入れ、画面が一気に軽やかになりました。
その後、南フランス・アルルに移ってからは、強烈な黄色が印象的な「ひまわり」のような、感情が爆発する画風が完成します。晩年は、激しさと静けさが同居した作風で、深い孤独感が表現されている様です。

完成された人など存在せず、支え合いながら、時間をかけて人格が形成されていくのだと思います。そうだとすると、「誰と、何をして、どのように過ごすのか」それを選択する質が、人生を変えるのかもしれません。
当医療法人の理念は「颯爽とした人生を」です。
関わる全ての人が、颯爽とイキイキとした人生が送られるよう、歯科医療で貢献することが我々の目的です。歯科医院は、誰か一人の力で成り立つものではありません。互いを信じ、役割を果たし、支え合うことで、安心できる医療と、長く続く医院が育まれていきます。
ゴッホの作品が今も人の心を動かし続けているように、私たちの医院も、支えとなる人の力を結集し、夢を引き継ぎ、関わる全ての人の人生を支え続けられる存在でありたいと考えています。
文:松浦政彦
医療法人颯爽
デンタルスクエアもりおか青山
院長






















