事前の一手は事後の百手に勝る 〜第129回 歯科医師夫婦のつれづれ手帖〜

5月に入り、歯科医院前の庭にもさまざまな植物が花開く素敵な季節になってきました。

「歯科医師夫婦のつれづれ手帖」は、2010年から歯科医院を営む夫婦が、医院を訪れる患者さんに自分たちの人となりを知ってもらいたいという気持ちから、2014年より院内新聞の一角に書き始めた小さな文章。2024年4月の移転後も、なんだかんだ言って続いています。

ルールは2つだけ。

ルール1 必ず毎月、どちらかが書く
ルール2 内容は、歯科治療以外のこととする(時々ルール違反あり)

第129回 事前の一手は事後の百手に勝る

 

颯爽とした人生を」が、当医療法人の理念です。

そして、「健康を大切に思う方が、自ら進んで訪れる歯科医院」

をビジョンとしています。

関わる全ての方が颯爽といきいきとした人生を送られるように
歯科医療で貢献することはもちろんですが
「もっと何かできることはないか?」と、常に
考えています。

歯科は、妊婦検診から亡くなられるまでライフステージのあらゆる場面において、
痛みなどの症状がなくても関わることができます。

それゆえに歯科医院は
受診される方の心身の健康において、重要なカギを握っていると思うのです。

そんな考えから、待合室に血圧測定器を設置したり
日本糖尿病協会登録医になったり、医歯薬連携を積極的に推進している次第です。

昨年秋には、歯科診療の際に撮影するエックス線写真から骨粗鬆症の危険度を判定する
コンピューターソフトを、東北で初めて導入しました。 

希望される方には無料で解析し
骨粗鬆症の危険度が高く出た方は、解析データとともに整形外科に精査を依頼しています。

そのようにして依頼させていただいた某整形外科医から、とても嬉しいお返事が返ってきました。
その内容について後半の一部を紹介いたします。

「日本では骨粗鬆症検診の受診率がいまだに低く大きな問題である、
と考えていました。

一方、骨粗鬆症治療については
以前より、いかに早く開始するかが、重要なkey pointであることが指摘
されています。

先生の大変先駆的な取り組みに、敬服いたします。」 

骨粗鬆症の方が転倒し大腿骨などを骨折した場合、5年生存率が
一般的ながんのそれより低いことをご存知でしょうか?

特にも、今回の患者さんは初期の段階で診断できたとのことで
依頼させていただいた私の喜びもひとしおです。

「事前の一手は、事後の百手に勝る」。

事が起こる前に対策を講じることは、
何事においても大切です。

病の予防では、病にならないように対策をとるとともに
早期発見早期治療も重要です。

当院が予防歯科に注力し、定期メインテナンスをお勧めしているのもそのためです。

今後は、青山上堂地区の医院、歯科医院、薬局の皆さんにお声掛けをし、
この
地区の医療にかかわる専門職のサークルを立ち上げ、
地区の皆さんの
心身の健康にさらに役立つ活動を行うことを考えています。

早くご報告できるようがんばります! 

(文: 松浦 政彦)

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