第10回 歯科医師夫婦のつれづれ手帖〜プロフェッショナルであるために

歯科医師夫婦のつれづれ手帖は、歯科医院を共に営む夫(真面目なのでここではマジオ君)とともに、医院を訪れる患者さんに自分たちの人となりを知ってもらいたいという気持ちから、2014年から書き始めた小さな文章。
なんだかんだで続いています。
ルールは2つだけ。
1 必ず毎月、どちらかが書く。
2 内容は、歯科治療以外のこととする。

歯科医師夫婦のつれづれ手帖Vol 10 プロフェッショナルであるために

最近NHK会長の言動が物議をかもしていますが、月曜日の22時から放映される「プロフェッショナル〜仕事の流儀〜」は好きな番組でよく見ます。各分野の一線で活躍されす方は各々こだわりがあり、感心するとともに自分を顧みて反省することが多いです。

番組のテーマ曲も気に入っています。「♪ぼくらは位置について、横一列にスタートきった。つまずいてるあいつのことを見て、本当はシメシメと思っていた。誰かをゆるせたり、大切な人を守れたり、いまだ何一つサマになっていやしない相変わらずあの日のダメなぼく…」。スガシカオ氏作のこの詩は、人間が出来ていない私にはよくわかります。が、一流といわれる方達は違うようです…。

プロ棋士の羽生善治氏は、対局で相手が悪い手を打つと機嫌が悪くなるそうです。「相手の悪手から転がり込んだ勝利では、美しい棋譜は生まれない。」というのが、”不機嫌”の理由とのこと。また、大リーガーのイチロー選手は、「自分の打撃がベストであるためには、相手投手のベストも必要になります。」と語ったそうです。相手のベストを上回り結果を出すために、日々努力を惜しまないのは当然のことなのでしょう。

我々の仕事は、将棋や野球のように相手と競うものではありません。しかし、お口の状態は誰一人として同じことはなく、状況を判断し、最善の治療効果を得るべく持てる知識や技術をフル動員しなければなりません。また、対応する引き出しを多くするために、知識や技術の獲得を継続しなければなりません。

そして、凡人プロフェッショナルの我々夫婦は、毎晩!?晩酌をしながら疲れを癒すとともに、次の日への活力を得るのです…。(MDCニュースレター 2015年4月号よりマジオ文)

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のあみ

歯科医院が多くなったと言われて久しいです。しかし、ライバル同業として反目し合うのではなく、開業歯科医師同士、技術面や経営面ともに研鑽しあい、情報を共有し合い、皆がよい仕事ができ、繁栄できるようにがんばっている。そう言う意味では、プロ棋士と通じる面もあるのかな、なんて思ってしまいます。

回想版 いつまでプロフェッショナルでいつづけるのか

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のあみ

本日(2021年1月21日)の読売新聞に、ちょうどプロ棋士趙治勲(ちょう ちくん)氏の記事がありました!全く違うプロフェッショナリズムながら、天命を知る年代としては、興味深く読ませていただきました。

一時代を作った棋士は年をとって弱くなった姿を見せるべきじゃない、と言う考えがあります。一方で、相撲で言えば、大関が幕下に落ちても納得がいくまで土俵に上がり続ける。そういう姿勢も立派だと思う。どちらを選ぶべきか、答えが出なかったんです。(令和3年1月21日 読売新聞「時代の証言者」)

少し前までは、前者の気持ちが強かったという趙氏。見るに耐えない将棋を打つようになったら、引退しようと思っていたそうです。しかし最近は、趣味のカラオケやゴルフよりは確実に「世間に出しても恥ずかしくない腕前」の将棋を、趣味と同じように楽しんでもいいのかな、と思い始めているとのこと。

相変わらず日々の臨床に追われ、たくさんの難症例のカルテで山のようになっているマジオ先生のデスク。年を重ね、「歯科」を楽しめるようになるには、やはり若い頃からの「予防歯科」の普及しかないのかな、と思う今日この頃です。

 

 

 

 

 

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