嬉しいお手紙 〜歯科医師夫婦のつれづれ手帖 vol 59

歯科医師夫婦のつれづれ手帖は、2010年から歯科医院を営む夫婦が、医院を訪れる患者さんに自分たちの人となりを知ってもらいたいという気持ちから、2014年より院内新聞の一角に書き始めた小さな文章。
なんだかんだで続いています。
ルールは2つだけ。

ルール1 必ず毎月、どちらかが書く
ルール2 内容は、歯科治療以外のこととする(時々ルール違反あり)

第59回 嬉しいお手紙

日々の診療以外にも歯科医師としての仕事は様々あるが、「学校歯科医師」というのもその一つだ。

私は青山小学校の学校歯科医師として活動している。
「児童の歯科検診」、「保健委員会での専門的助言」が主たる仕事である。
そのメインイベントともいえる歯科検診が5月下旬に行われた。
青山小学校には学校歯科医師がもう一人おり、私は2,4,6年生の検診を担当している。
検診の後は、2年生を対象にむし歯について簡単なレクチャーをし、さらに歯磨き教室を行う。

 レクチャー内容は、「どうしてむし歯が出来るのか」、「どうしたらむし歯になりにくくなるか」等々。

しかし、最大の目的は自分の口に興味を持ってもらうこと。

2年生に解ってもらうには少々工夫が必要だ。
10枚ほどのスライドを用意しているが、難しい用語を使わないのはもちろん、子供たちが食いついてくる言葉(むしバイキンのうんこなど)をあえて使っている。
また、できるだけ視覚に訴えるように、絵や写真を多く入れている。

 歯磨き教室は衛生士が中心になって行うが、汚れを染めだしチャート図に色鉛筆で塗って、実際にどこに汚れが残るのか確認してもらう。
その後、部位別にどのような磨き方が良いのかを大きな歯の模型とブラシで説明し、実際に歯磨きして落としてもらう。

赤く染まった歯を見せ合いながら、ワイワイガヤガヤ大騒ぎとなるが、ポイントを伝えようと衛生士も必死である。診療室とは異なる頭と体力が必要だ。

 先日、子供たちから感謝の手紙が届いた。

私にとっては、ひと足早い嬉しいお中元だ。
伝えたいことが思った以上に理解されていることに、いつものことながら感心した。
また、可愛い文字で、おのおのの言葉で書かれた懸命な感謝の文を読むと、自然と頬の筋肉が緩み目じりが下がってくる。担当したスタッフみんなで順に回し読みをし、喜びを分かち合っている。  文: 松浦 政彦

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