第15回 歯科医師夫婦のつれづれ手帖〜アドリブを生きる力

歯科医師夫婦のつれづれ手帖は、歯科医院を共に営む夫(真面目なのでここではマジオ君)とともに、医院を訪れる患者さんに自分たちの人となりを知ってもらいたいという気持ちから、2014年から書き始めた小さな文章。
なんだかんだで続いています。
ルールは2つだけ。
1 必ず毎月、どちらかが書く。
2 内容は、歯科治療以外のこととする。

歯科医師夫婦のつれづれ手帖 vol 15   アドリブを生きる力

去る8月19日~21日、第65回全国高等学校PTA連合会大会岩手大会が、岩手産業文化センター(アピオ)など7会場を舞台に開催された。全国各地から約9,500名の参加を得、盛況のうちに終了した。参加した皆さんの多くが、笑顔で「ありがとう!」と言いながら帰路に就くのを見送り、実行委員の末席に籍を置いたものとしてとても嬉しく思った。

最終日の記念講演は、映画監督の大友啓史氏が「アドリブを生きる力」という演題で行った。大友氏は私の高校同期である。しかし彼は文系、私は理系で同じクラスになったことは無く、高校時代はほとんど交流は無かった。彼は慶応大学に進み、その後NHKに就職した。「ハゲタカ」、「白洲次郎」、「龍馬伝」などを演出し高い評価を得た。2011年に独立し、「るろうに剣心」、「プラチナデータ」などの話題作をつぎつぎに生みだしている。独立第一作目を発表した際に、同期で結成した「大友啓史を応援する会」に参加し、試写会の企画に携わったのが縁で話をするようになった。「大勢の聴衆を前に、いったいどんな話をするのだろう?」と楽しみにしていたが、期待に違わない素晴らしい講演であった。

私がイメージする映画監督像は「トップダウン型」で、テーマを決め、スタッフを支配し、撮影のすべてをコントロールしているのだと思っていた。だが、彼の手法は違った。スタッフはみんなプロであり、その領域については監督よりも詳しくわかっているはずなので、各々の考えを尊重するそうだ。それぞれが存分に力を発揮することにより、予想していなかったような面白い物が出来上がる。彼は監督とは「解釈する人」だという。ネタを自分なりに解釈し提示するが、それをどのように表現するかはスタッフにゆだねる。どういう展開になるか、まさにアドリブを楽しんでいるかの様である(実際の産みの苦しみは、相当のものだと思われるが…)。

「こうでなけれいけない。」と決めてしまえば、とかくこの世は生きにくい。人の心もお天気も、自分の思うようにはならないもの。そうであるならば、ハプニングが起こったことを嘆くのではなく、その後の展開をどうするか思いを巡らす方が楽しそうだ。我々PTAよりむしろ、これからハプニングだらけの海に漕ぎ出す、現役高校生に聞かせてやりたい内容であった。 (MDCニュースレター2015年9月号より)

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ベル

大友監督が、マジオ先生の同級生だったとはね〜。私には関係ありませんが、映画のプロフェッショナリズムとは、かっこいいものですね。ところでここ3回ほど、マジオ先生の投稿が続いていますね。のあみさんはどうしたんでしょうか

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のあみ

のあみがつれづれ手帖の執筆をサボっていた理由は次回で明らかに!!

 

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