第26回 歯科医師夫婦のつれづれ手帖〜投法の変更に挑む

歯科医師夫婦のつれづれ手帖は、歯科医院を共に営む夫(真面目なのでここではマジオ君)とともに、医院を訪れる患者さんに自分たちの人となりを知ってもらいたいという気持ちから、2014年から書き始めた小さな文章。
なんだかんだで続いています。
ルールは2つだけ。
1 必ず毎月、どちらかが書く。
2 内容は、歯科治療以外の事とする。

歯科医師夫婦のつれづれ手帖 VOL 26 〜投法の変更に挑む
(MDCニュースレター 2015年8月号より)

梅雨も明け、暑くなりましたね。

 東北の夏は暑かったり、寒かったり、微妙だったり…小学生を持つ身で、かつ休める日が決まっている私としては、毎年いつ海に出かけられるだろうとドキドキしながら計画を練る日々です。そんな中で、毎年暑かろうが寒かろうが、必ず行われるのが高校野球。軟式野球をやっていた我が家の長男も、先月初旬の県予選を持って、涙の引退となりましたが、これから盛り上がる甲子園のほうは、まだまだ楽しみですね。

 先日、新聞にある高校球児の記事が載りました。見ると、なんと小学時代息子と同じリトルリーグで野球をやっていた仲間の写真。

 盛岡市内の高校の投手として活躍していた彼は、昨年の夏の敗戦で、速球で押すタイプではない自分の投球方法を見直し、今年最後の大会で勝つために、サイドスローへの投法の変更という大きな決断をしたらしいのです。試行錯誤を繰り返し、練習試合で何度も打たれながら、「もとに戻したい」という葛藤と戦い続けたといいます。とうとう新しい投法を習得し、今年の夏の舞台に立った彼の話は、幼いころを知る者の一人として本当に感動しました。

 今、当院でも一つの「投法の変更」を試みて、より質の良い治療を、より多くの皆様に届けられるようシステムづくりに取り組んでいます。1番は、どうしたら忙しい日常の診療の中で、患者さんに歯のケアの大切さをうまく伝えられるのか。もう一つは、診療の質そのものの向上。歯科治療は保険が使える治療がほとんどですが、歯周病治療や被せものの材料など、保険内ではどうしても制限が多く質や効率が限られてしまうものもあるのも事実。皆さんにきちんと情報を提供し、ご自分でゆっくりと治療法を選んでもらうためのシステム作りは、いままでの治療の進め方やスタッフの役割など根本から変えていくことが必要で、毎月スタッフで集まっては勉強会、ミーティングを続けています。

 いままでのままでいいじゃないか・・・何度も頭をもたげる心の中のささやきに首を振りながら、みんなで本を読んだりセミナーに参加したり。慣れ親しんだやり方を変えるのはとても大変なこと。でも、そのあとの成長を信じられるから、頑張れる。息子の元チームメイトが、勇気づけてくれました。  (MDCニュースレター2015年8月号より のあみ文

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