【40代以上必見!】こんなチャームポイントはなくしたい?前歯の隙間を考える。

こんにちは。歯科医師の松浦直美です。

週末は、久しぶりに開催された「デンタルショー」を見に、仙台まで行ってきました。やはり仙台は街が大きいのに、緑に囲まれた良い街ですね。デンタルショーって、なんだって?ご想像の通り、いわゆる歯科の製品や機材、あらゆるグッズの見本市です。デンタルショーは世界中で行われていて、最も規模が大きなものはドイツのケルンで行われる「ケルン国際デンタルショー」。ケルンという街はBS放送「世界街歩き」で見て以来とっても行きたい街の一つ。いつかデンタルショーにかまけて、訪ねて見たいと思っています。

日本でも、最大の「日本デンタルショー」を始め、各地でデンタルショーが開かれていますが、昨日訪れたのは「東北デンタルショー」。大きなショーに比べ、こじんまりとしていて、あっというまに全てのブースを組まなく回ることができる上、知り合いにあうことも出来て、私は大きなデンタルショーよりもとても好きな展示会です。

さて、本日は、デンタルショーでもたくさん展示されていたさまざまな材料やシステムで対応することができる「歯間離開(歯と歯の間が空いている)」のお話です。オーバー40の方は特に気になっている方が多いのではないかと思われる歯並びの悩みの一つです。

鏡を見ると気になる歯と歯の隙間!歯間離開(しかんりかい:Diastema)とは?

文字通り、歯と歯がぴったりとくっついておらず、隙間がある状態です。空隙歯列、正中離開などども呼ばれることがあります。

真ん中に隙間があると結構目立ちますが、奥歯だったり、犬歯(糸切り歯)の後ろあたりにひっそりと隙間がある場合は、そんなに気になっていない方もいるでしょう。

お子様の場合は、乳歯から永久歯に生え変わる時や、永久歯が生えたばかりの時に、歯と歯の間に大きな隙間ができます。それをとても気にするおうちの方が多いのですが、歯の生え変わりが進むと、隙間はきえてピッタリと並ぶか、隙間どころかあごが小さ過ぎて歯が重なってしまうこともよくあります。ここでお話しする歯間離開とは、永久歯が全て生えそろってから、隙間が残ってしまっている状態を言います。

写真は、当院患者様の口腔内写真を、ご本人のご好意により同意のもと、使わせていただいております。

隙間ができる原因は多岐に渡ります。若い頃から隙間がある方の主な原因は下記の通り。

  • 歯と顎の大きさの不調和(これが逆だと歯が重なります)
  • 歯の数が足りない。特に、前歯は上の歯も下の歯も、生まれつき1〜2本足りない方がいらっしゃいます。
  • 口呼吸などによって歯が出歯になり、隙間が開く。それに対して、昔は隙間なんかなかったのに、年齢を重ねるにつれて歯と歯の間の隙間が気になるようになることもあります。年齢を重ねてからの原因は、下記が考えられます。
  • やはり、途中で抜歯などにより歯の数が減ってしまった。
  • 歯周病により歯を支えている骨が減ってしまい、歯が動いて隙間ができた。
  • 長い間の噛み締め癖や歯軋りなどによって歯が動いてしまった。特に、歯周病によって歯と歯の間に隙間ができることは、非常に多く見られます。ご本人は、歯周病に気づいていませんが、私たちが見れば歯周病にかかっていることは一目瞭然。このような方は、まずはしっかりと歯周病を治すところから始めなければ、決して歯間離開が治ることはありません。

歯と歯の間の隙間は治すべき?

歯科治療の最も大切な点は、すべての「症状」や「状況」に対して、原因を突きとめるように努力することです。原因がわからないまな治療をしてしまっては、せっかく時間とお金をかけて行った治療が、あっという間にだめになってしまうことがあるからです。

歯の隙間を閉じる治療を検討する場合も、隙間ができた原因を、しっかりと検査することがとても大切です。特に、歯周病によって歯を支えている骨が弱っていたり、強い口呼吸があって口を閉じることが難しかったりする方は、治療をしてもまた隙間が空いてくる可能性があります。

しかし、歯科にメインテナンス通院の習慣がすでにしっかりとできている方で、深刻な歯周病の問題がない方であれば、隙間を治す治療に進むことができます。ここで大切になってくるのが、前回の「ハリウッドスマイル」のお話でも申し上げました「自分が直したいと思っているのかどうか」。どんな治療にも、利点、欠点があります。ご自分の気持ちがしっかりと決まってから、治療を始めることが大切です。

ところで、歯に隙間があると、そこから運が逃げてしまう、と考えてしまう国もあれば、その隙間から幸運が入ってくるのですきっ歯は「幸運の歯」と考える国もあるようです。さらアメリカなどでは、前歯の間の隙間は「セクシー」だと言われて、隙間を治さないばかりか、わざわざ矯正治療で隙間を開ける人もいるとか。

写真:マドンナ:コスモポリタンホームページより

前歯に隙間のある有名人といえば、やはりこの方でしょうか。なるほど、前歯に一本、スッとな黒い線が入って見えるところが、「さし色」的な個性を出しているようにも見えますね。

写真:ジェシカ・ハート モデル コスモポリタンホームページより

もう1人、どうどうと歯の隙間をアピールしているように見えるスーパーモデル。完璧な容姿に、歯の隙間が空いている、というところが、なんともいえない親しみ感とキュートさを醸し出しています。

治療にかかる費用や時間に加え、このような価値観、考え方もあり、その隙間、カッコ悪いから直すべきだよ!と決めるのは、歯科医師でも、ご家族でも、友人でも、彼氏彼女でもなく、まぎれもないご本人であるべきなのです。どんな治療方法があるのか、そしてその利点、欠点はなんなのか。ネットで調べるだけではなく、ぜひご自分が信頼している歯科医師によく話を聞いてみてください。

一つの方法にすぐに飛びつかないで!隙間を閉じる方法はたくさんあります。

さて、マドンナやスーパーモデルの前歯が空いていて、それがチャーミングなのはわかった。

でも、私はモデルではないし、歯の隙間が「さし色」になるほど他の部分が完璧ではない。

やはり、歯の隙間は閉じておきたいよ!

そう決心したあなた。いよいよ、歯を隙間を閉じる方法についてお話します。

私が行っている方法だけでも3つの方法があります。そしてそれぞれに利点と欠点があり、その利点欠点は患者さんごとに違う、といっても良いほど、患者さんの状況は一人一人違います。ネットで調べて、他の医院のセラミックより安いから、などの理由で、原因の精査や他の治療方法を検討することなく、安易に大きく歯を削る方法に飛びつくことだけは避けて欲しいと切に願います。

歯と歯の隙間を閉じる:矯正治療

まずは、一番にあげられるのは歯列矯正です。歯に専用の装置を取り付けて、少しずつ歯を動かしていきます。さまざまな利点がある方法ですが、後戻り防止のための保定装置を装着する期間を含めると、かなりの長期間のおつきあいになります。

利点① 歯を削ることがない(あったとしてもごくわずか)
利点② 被せ物で隙間を閉じる方法に比べると、歯の大きさや形を変えることなく、自然に隙間を閉じることができる。
利点③ 歯の隙間だけではなく、他の部位の歯並びの悪いところや、噛み合わせも改善することができる。

欠点① 半年から数年の長い期間かかる。
欠点② 装置によっては目立ってしまう。
欠点② 治療が終わってからも、数年間以上の保定装置(後戻りを防ぐ装置)の装着が必要。
欠点③ 高額。医院によって設定は違うが、おおよその目安としては数十万円〜百万円ほどの費用がかかる。

しかし、費用に関しては、車や家の修理、美容院やネイル、まつげケアに毎月支払いつづけている費用などを考えれば、短い期間の投資としては大きな問題と考えない方が良いこともあります。迷っている原因が「費用」のことだけであれば、各種カードなどでの分割、デンタルローンを利用する、などの解決方法があるかもしれません。医院によっては、利子のない現金分割制度を取り入れているところもあります。

歯と歯の隙間を閉じる:被せ物をする

歯を削って、その上から被せ物をすることにより、歯と歯の隙間を閉じます。隙間を閉じるだけではなく、出歯気味だった歯を引っ込ませたり、長い間にすり減って短くなった歯を本来の長さに変えて、若返ることができるのも大きな特徴と言えます。腕の良い技工士が制作したセラミックを使えば、とても自然で、その上天然歯以上に美しい歯を再現できるでしょう。

利点① 期間が長くかからずに治療が終了する
利点② 歯の形や色など、好きなように変えることができる。材料によっては自然で美しい歯を表現できる。

欠点① 歯を削る必要がある。場合によっては、大きく歯を削ることになり、歯の神経を取らなければならないこともある。
欠点② 保険適用外の材料を使用する場合は費用がかかる。
欠点③ 歯軋りが強い方などは、被せた歯が欠けてしまったり、外れてしまうことがある。

被せ物の料金は、保険外治療のセラミックの場合、1本10万円〜20万円前後の医院が多いです。上述の通り、お支払い方法は各種あり、補償をつけているところもありますので、カウンセリング時によく確認しておきましょう。

歯と歯の隙間を閉じる:白い詰め物で隙間をふさぐ

この治療は、最近ではだいぶ認知されるようになってきた「Minimal Intervention (MI):最低限の侵襲で行う治療」の代表といえます。どんな医療行為も、多かれ少なかれ体に対する侵襲(ダメージ)があるのですが、そこを極力減らしていくことで、患者さんの歯を大きく痛めることなく、悩みを解決していく方法です。

ここで使用されるのが「コンポジットレジン」という白い詰め物。保険治療でもよく使われている材料ですが、本当に星の数ほどの製品が出回っています。保険治療で使う比較的安価なものから、自費治療専用の高価なものまで、多くの材料が手に入ります。白い詰め物で隙間を埋めるとはいっても、もちろんただ埋めるだけではありません。自然な歯に継ぎ目なく近づけるように、繊細な技術が必要になるため、保険外治療としている医院が多いのではないかと思います。

利点① なんといっても圧倒的に少ない歯の切削。全く削らないか、磨く程度で済むことがほとんど。
利点② 歯科医師の技術によるところはあるが、とても自然で継ぎ目がわからない仕上がりが可能

欠点① セラミックほどの耐久性はないため、メインテナンスで研磨をしたり、削れてしまった部分の修理など必要になることがある。

まとめ

本日も最後までお読みくださりありがとうございました。

歯と歯の間の隙間に悩む方はとても多いのですが、多くの方がその治療法がすぐ近くに存在していることをよく知りません。

まずは、なぜあなたの歯に隙間があるのか。原因を精査した上で、できるならば原因に対しての治療をはじめに行ってください。40代以上の方であれば、歯周病が大きな原因になっていることが少なくありません。

その上で、どのような治療方法があるのかを、歯科医師と相談し、その特性を十分に理解した上で、治療を洗濯していただけたらと思います。長年の悩みは、意外とあっさりと解決するかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

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