「ビックボス」のグローブ 第89回 歯科医師夫婦の徒然手帖

歯科医師夫婦のつれづれ手帖は、歯科医院を共に営む夫(真面目なのでここではマジオ君)とともに、医院を訪れる患者さんに自分たちの人となりを知ってもらいたいという気持ちから、2014年から院内新聞の一角に書き始めた小さな文章。
なんだかんだで続いています。
ルールは2つだけ。
1 必ず毎月、どちらかが書く。
2 内容は、歯科治療以外の事とする。(時々ルール違反あり)

今回は、あの「真っ白な歯」で、多かれ少なかれ多くの方に歯科治療への興味を抱かせてくれている「ビックボス」新庄監督のお話。

時々患者さんから、「新庄のような歯に」と言われることがあって閉口してしまいますが、わざとらしいほどの白い歯は彼の外見上の特徴の大きな一端を担っていることは確かで、それに対し多くの方が興味を持ち、歯科医院で話題にしてくれることはいいことではないかと思います。

なんにしても「興味」がなければ、私たちの話も聞いてもらえません。患者さんに、審美歯科の話を聞いてもらえる機会を作ってくれるビックボスに感謝。

しかし、長年の野球ファンである院長先生(まじお先生)は、そんな新庄監督の「もう一つの顔」を知っていました。「ああやってチャラチャラしているように見えて、あの人は実は本当にすごいんだ」

それが、この「グローブ」のお話です。

第89回 ビックボスのグローブ

昨シーズンは、大谷翔平の活躍や前年最下位ヤクルトスワローズの日本一などで盛り上がったプロ野球界。今年も様々なドラマが生まれることと思うが、やはり注目すべきは、「ビックボス 新庄」だろうか。

  現役時代は、身体能力の高さと魅せるプレーもさることながら、奇抜な登場の仕方などプレー以外でも話題になることが多く、「新庄劇場」とも言われた。その頃は、「自由奔放な選手だな…」と思っていたのだが、最近伝わる様々な逸話から、実は真摯に野球に取り組んでいた方だと知った。

 新庄氏は、植木職人を生業にしていた父親から「商売道具は大切にしろ」と教えられたとのこと。

その教えを守り、入団した年に7,500円で購入した一つのグローブを、引退まで17年間試合で使い続けたそうだ。引退会見の際には、そのグローブを前に、「17年間一緒に過ごしたこいつが、『もうプレーできない。限界』と言っていました」と話したとか。2011年に父英敏氏が亡くなった際は、その棺にこのグローブを入れ、見送ったそうだ。

  我々の仕事では衛生管理上、使い捨ての器具や材料を使用する割合が広がっている。しかし、そうであっても、道具を大切にする気持ちを失ってはいけない。物にも魂が宿っており、大切に思い使用することで良いパフォーマンスができるのは、すべての仕事に共通するのではないか。

物を大切にすることができる人は、ヒトも大切にできる人だと思う。日本ハムは贔屓のチームではないけれど、「ビックボス 新庄」がどの様にヒトを使って、どの様な仕事を見せてくれるのか、今から楽しみである。 ( 文: まじお )

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