大学院の課題で「Distinction(最優秀)」獲得!!

こんにちは。歯科医師の松浦直美です。

現在、英国Kings College Londonの審美歯科大学院で学んでいる「歯を守りながら美しく修復する」ためのエッセンスを、ブログで紹介しています。

審美歯科は、美しさのために健康を犠牲にする歯科治療ではありません。むしろ、予防歯科と連携して行うことで、歯を大きく守ることにもつながる、夢のある治療領域。ぜひ、多くの方に正しい知識を持ち、興味を持っていただきたいと思っています。

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今年の大学院の課題は三つ

1年の休学を経て、2年目に入った大学院生活ですが、今年は実際の症例を提出する、という課題が3つほどあります。その1回目の課題の評価が、昨日届きました〜!

結果は、「Distinction」、すなわち最優秀!! えっ、本当ですか?という驚きでした。

4本分の歯にコンポジットレジンという白い詰め物を綺麗にほどこす、という課題ですが、写真または動画を作ってパワーポイントなどにまとめて説明をし、さらに実際の検査、患者さんとのやりとり(他の治療方法も含めどのように説明したのかなど)、施術についての細かい記述を1500単語程度にまとめたレポートの提出です。

いつもやっている治療ではありますが、あらためて、オンラインの大学院で自学しながら、大切なポイントや、エビデンス(論文)で結果が出ているやり方を選ぶなど、写真の整理含め、課題の作成には本当に時間がかかりました。(歳をとって一回の集中力が数分単位で途切れるのも要因ですが)

しかし、頑張って取り組んだことで、現在世界で最も認められている技術と理論がわかり、日々の治療の大きな自信になっていることは確かです。

日本では保険の効かない治療も多々あるのですが、その価値を自信をもって伝えられるようになったことで、あえてその治療方法を選んでれる方も多くなり、本当に嬉しく思う日々です。

症例紹介

今回の課題は、患者さんの同意を経て、症例として使わせていただいておりますので、こちらでも紹介したいと思います。課題はコンポジットレジンによる修復。

このブログでも何度も紹介しているMI(Minimal Intervension:最低限の侵襲による治療)の一つで、コンポジットレジンという樹脂を使って、歯にしっかりと接着させることで、余計な歯の切削を回避し、歯と修復物が一体化したような安定感を作ることができます。。

1症例目は、銀歯の中で虫歯になってしまった歯を、コンポジットレジンによるダイレクトボンディングで修復した例。

ゴールドの被せ物と歯の間に隙間ができて、中ですっかり虫歯に。

ゴムのカバーをかけて、治療中の歯の中に唾液や水分が入り込むのを防ぎます。同時に、お口の中を保護する役割もあります。

金属を外し、虫歯を除去したらこんなに穴が。

しっかりと形をイメージして、枠組みを作ります。

充填終了。健康な歯と同じような見た目に綺麗に修復されました。

MI(ミニマルインターベンション)は、必要最低限の歯の切削によって治療すること。

今回の場合は、もともと入っていた金属部分と、中の虫歯を取り除いた部分をしっかりと美しい材料で構築し直しています。中に広がっていた虫歯以外は、歯を削っていません。他の修復方法だと、被せ物を入れるために健康な歯の部分も削るところがどうしても出てしまいます。

ダイレクトボンディングのもっとも優れた点だと思います。

もう一例紹介します。

こちらは、水銀の入った古い銀歯を取り除きたいというご希望でした。

銀歯を取り除きます。銀歯は、古くなると中で虫歯になっていることが多く、今回も外してみたら、虫歯が見つかりました。

2本とも、綺麗に修復完了。こちらも、新たに削った部位はほとんどありません。

ヨーロッパに根付く「保存」の精神

ミニマル歯科治療は、もちろん全世界で行われている治療で、なにも英国の大学だから、力を入れているわけではありません。

しかし、何事も古き良きものを残し、大切に使う文化の根付いたヨーロッパの歯科治療の考えは、やはり「歯をなるべく壊さずに、大切に使っていく」というところに特に重きを置いているように思えてなりません。

状況によってはミニマル治療だけではできないことも多々あることも確か。

しかし、ミニマル治療でできる可能性があるのであれば、歯を大きく削る前に、まずはそちらから行っていく。

これが、長い人生で歯を長く残していく秘訣。そのことを再認識させられる、2年目の大学院生活なのでした。

まずは、1回目の課題で良い成績が取れたことを励みに、2回目、3回目の課題と、9月の試験に向けて、なんとか頑張っていきたいと思います。

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