被せ物をする前に、ホワイトニングをするべき大切な理由〜大切な歯の保全のために。

こんにちは。歯科医師の松浦直美です。

現在、英国Kings College Londonの審美歯科大学院で学んでいる「歯を守りながら美しく修復する」ためのエッセンスを、ブログで紹介しています。予防歯科の推進の先にある、「健康な審美歯科」を目指しています。

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ホワイトニングは定期的に受けられるコスパのよい健康法

ホワイトニングは、多くの方が興味を持っていると思います。

言わずと知れた、歯を全く削ることなく、白く明るくすることができる素晴らしい治療です。

しかし、歯科医院でのホワイトニングは、最近街角で増えているセルフホワイトニングと比べ高価なので、二の足を踏む方もいらっしゃいます。

でも、ちょっと考えてみてください。

美容院やまつ毛やネイルのケアにいくのと同じか、それ以下の費用で継続的な歯の白さが手に入ると思えば、コストパフォーマンスのとても良い美容法です。

さらには、施術前にバイオフィルムをしっかり落とす、過酸化水素と歯を強くする成分をしっかり使えるなど、医療ホワイトニングには歯科医院で行うからこそできるメリットがたくさんあります。

継続すると透明感のある極上の白さを健康的に保てる医療ホワイトニングを、費用を理由にあきらめるのはもったいない!といつも思っています。

さて、そんなホワイトニングですが、今日は、さらにホワイトニングを被せ物をする前の歯に施すことで、より審美的で健康的治療ができる、というお話をしていきます。

セラミックとホワイトニングのなんとも良い相性

どうせ削ってセラミックを被せるのだから、その歯にホワイトニングをしてもしょうがないのではないか、と思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、以下の三つの理由で、セラミック治療を考えている方には、ぜひ事前にホワイトニングを受けて欲しいのです。

あれ?セラミック、いらないかな?になることも

ずっと気になっていた前歯を、いよいよセラミックで綺麗に修復したい!そのまえに、周りの歯を明るくしておきたいな。

そう思ってホワイトニングをしっかりと行うと

あれあれ?

なんだか、とても歯が白く綺麗になって、セラミックで被せなくてもいいんじゃない?

こうなってしまう方が、時々いらっしゃいます。(笑)

セラミックを被せる周りの歯が明るくなる

予定通りセラミックを入れる方は。

セラミックを被せる予定の歯の隣の歯や、噛み合わせる下(または上)の歯の色が白くなれば、その色に合わせたセラミックを選んで作成し、被せることができます。

せっかくセラミック治療をするのに、周りの歯に合わせた暗いトーンでは、ちょっと残念ですよね。

ぜひ、他の歯のトーンアップを行い、スマイルが明るく輝くことを目指してください。

ホワイトニングは、年齢や歯の質によって効果の現れ方は違います。

年齢の高い方は少し時間がかかることがありますが、年齢の高い方こそ、ホワイトニングをすることで驚くほど若々しくなりますので、ぜひトライして欲しいと思っています。

セラミックを被せる歯の削除量が減る

驚くべきことに、セラミックを被せる時、中の歯の色が1段明るくなれば、歯を削る量が0.3ミリ少なく済むということがわかっています。

セラミックを被せることで、4段階歯を白くしようと思えば、1.2ミリもの切削が必要。

日本人のエナメル質(もっとも表層の強く輝いている部分)の厚みは、一番厚いところでも0.9~1.6ミリ、薄いところでは0.2~0.5ミリほどですので、審美性を得るために多くの切削をすることで、強くて美しいエナメル質がなくなり、中の弱い象牙質が露出してしまうのです。

ホワイトニングをすれば多くの方が6〜7段階トーンアップすることを考えれば、かなりの削除量を減らせることがわかるかと思います。歯の形や状況によりますが、ほとんど全く歯を削らずに、無麻酔でセラミックを被せることも可能になることがあります。

すべてはエナメル質の保存のために

今、高齢化社会を迎えて、お口の中が崩壊していく方々をたくさんみてきました。

定期メインテナンスの普及が大きく遅れた日本では、中高年以降の方は特に、若い頃虫歯が多かったり、抜いた歯を放っておいたりして、そのツケが人生の後半に大きく回ってきているのを、目の当たりにしています。

虫歯を見つけたら、広がらないように一刻も早く削って治す、しかもなるべく大きく歯を削って、しっかりとした丈夫な被せ物を被せる。

現在の予防歯科の概念が歯科医師の間にも普及していなかったつい10数年まえ(もしくはつい数年前)くらいまでは、このような考え方が当たり前でした。

しかし、歯の一番表層にある「エナメル質」を大きく削って修復された歯は、後々2次的な虫歯になりやすく、特に高齢になると次から次へと、問題が起こってきます。

若いうちは特に、歯はなるべく削らない、小さな虫歯はメインテナンスで経過を見ていく、そして、必要があって治療する場合は、なるべくエナメル質を保全する方法を選ぶ。そのために、ホワイトニングは威力を発揮します。

若いうちから定期メインテナンスを行い、歯をなるべく削らない。

そのような意識、そして知識を、歯科医療従事者はもちろん、患者さんの方もしっかりと身につけて欲しいと思います。

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