【白い歯相談室】白い歯への最初の一歩。ホワイトニング歯磨き剤の世界。

こんにちは。歯科医師の松浦直美です。

白い歯、といえば、歯科で行う「ホワイトニング」を思い浮かべる方が多いですよね。

歯科医師の立場から言えば、もっとも効果的な「ミニマル歯科治療(少ない侵襲で最大限の効果を出すための治療)」は、定期的な歯科メインテナンスと、歯科医院が主導するホワイトニングの組み合わせです。ミニマル歯科治療って何なのよ?と思った方は、下記記事を読んでみて下さいね。

歯科主導のホワイトニングと、他のホワイトニング(セルフホワイトニングや、ホワイトニング歯磨き剤など)との決定的な違いは、「過酸化水素」の有無(注:海外の製品では、歯磨き粉に過酸化水素が加えられたものがあります)。歯の内面から白くしていく歯科でのホワイトニングは、効果がとても高い方法です。

しかし、まずは「白い歯」に気軽に興味を持っていただきたい。

白い歯への入り口として、歯科でのホワイトニングを考える前に、少しだけ、歯を白くするための「勘所」をお伝えします。

「白い歯」への入り口は、歯磨き粉への興味から

歯磨き粉は、驚くほどたくさんの種類が売られていて、歯科医師や歯科衛生士も、すべてを把握することは困難です。でも、ドラックストアや、ロフトなどのお店で、デンタルケアの売り場をうろついてみたことがあるあなたなら、将来「白い歯」を手に入れるチャンスはあります。なぜなら、その段階であなたは

「白い歯に興味を持っているから」。

正直なことを言います。
歯磨き粉で、歯が本当に白くなることは、あまり期待できません。多くの歯磨き粉には、「研磨剤」や「歯の漂白作用」がある成分がが入っていて、もちろんある程度歯が白くなることはあり得ます。ただ、インターネットなどの広告にあるような真っ白な歯になることはなく、本来の自分の歯の色に近づいていく、という感覚です。

しかし、歯を白くしたい、と思う方は、まず歯磨き剤でその入り口に入ってみてほしいなと思います。なぜなら、歯が少しでも白くなったり、明るくなったりすると、本当にお顔全体の雰囲気が変わります。年齢を重ねた方なら、その変化は想像以上でしょう。たとえ歯磨き剤による「ちょっとした」白さの変化であっても、ぜひ、その経験を味わってほしいなと思います。

そして、その成功体験が、歯科への定期通院という行動変容へと繋がってくれたら、うれしいなと歯医者の直美先生は思うわけです。

ホワイトニングビギナーにおすすめの歯磨き剤は

さて、じゃあ歯科医の先生もそう言ってることだし、ホワイトニング効果のある歯磨き剤を使ってみようじゃないの。
そうして、ロフトやドラックストアに出かけてくれたあなたは、本当に素直な良い方です。しかし、そこで絶対困るのが、「じゃあどの製品を買えばいいのよ?」・・・ずら〜っと並んだデンタルケアグッズに埋もれて、途方に暮れることでしょう。

そんな素晴らしいあなたに、ちょっとだけ、ホワイトニング歯磨き剤を選ぶヒントをお伝えします。

フッ素がしっかりと入っている
フッ素が虫歯予防になることは、確固たる事実。今後、80歳、90歳までご自分の歯を使用したい方には、強い味方になります。ホワイトニング以前に、まず虫歯予防です。現在、日本では1,450ppmの濃度まで認可されていますので、その濃度のフッ素を含む歯磨き粉を選んでください。ちなみに、海外では、虫歯のリスクが高い方には5,000ppmの歯磨き粉が普通に処方されています。1,450ppmで驚いてはいけません。

ホワイトニング成分が入っている
せっかく歯を白くするための歯磨き剤を探しているのですから、ホワイトニング成分の入ったものを選びましょう。日本では、過酸化水素を歯磨き剤に入れることは認可されていません。海外の製品(コルゲートオプティックホワイトなど)は、歯科でのホワイトニングに使用される過酸化水素が添加されており効果も高いものがありますが、歯科医師の診察なしで毎日使用するには、知覚過敏の発症などの心配があります。まずは、日本で認可されているホワイトニング成分が入った歯磨き剤から始めましょう。現在、日本で販売されている歯磨き剤に入っているものの中で比較的ホワイトニング効果が高いとされている成分は、「ポリリン酸ナトリウム」や、「メタリン酸ナトリウム」などが挙げられます。箱の裏に成分が書かれていますので、チェックしてみましょう。

研磨剤を使っていないか、刺激の少ないように工夫している
研磨剤は、箱のうらに「無水ケイ酸」、「リン酸水素カルシウム」、「水酸化アルミニウム」、「炭酸カルシウム」などの名前で書いてあります。最近はメーカーも研磨剤があまり歯を傷つけないように工夫していますので、あまり神経質になる必要はありません。しかし、初めてのホワイトニング歯磨き剤を選ぶ際は、研磨剤不使用は、安心なオプションになるかと思います。

ホワイトニング歯磨きで検索すると、多くの製品がヒットしてきますが、中には明らかに成分が不足しているのに高い効果を謳ったり、怪しい写真が載っているものも多いので注意が必要です。店舗などに出回っているものの成分を確かめて購入するか、かかりつけの歯科医院に相談するのが安心です。

ホワイトニング歯磨き剤の使い方

適切な濃度のフッ素が入っていて、しかもホワイトニング効果が高い。これが、理想のホワイトニング歯磨き剤なのですが、中には研磨剤を入れることで歯を白くする、と謳っているものもあるので要注意です。

けして強く磨きすぎない
研磨剤が入っている歯磨き剤は多いので、あまりめくじらを立ててもキリがなく、普通に売られている歯磨き粉に入っている研磨剤にいちいち神経質にならなくても大丈夫なのです。しかし、それはあくまでも「正しいブラッシング圧」での歯磨きが身に付いている方のお話。ブラッシングの圧は150〜200gほどのごく軽い力で、2〜3分以内にとどめます。

使用頻度を減らず
使用しているホワイトニング用歯磨き剤の研磨剤添加の有無がわからない場合は、ホワイトニング歯磨き剤の使用は週2回程度にとどめて、他の日は普通の「フッ素入り歯磨き剤」を使用する、といった2種類使いをしてみてください。

フッ素入り歯磨き剤と併用する
ホワイトニング歯磨き剤にフッ素が入っていない場合は、フッ素入り歯磨き剤をホワイトニング歯磨き剤の後に使用して下さい。

ホワイトニング歯磨き剤の効果を確かめる

使用するようになってから、1ヶ月ほどしたら、歯が白くなってきたかな?と、効果を確かめてみましょう。おそらく、目に見えるほどの大きな変化はないかもしれません。しかし、継続していくうちに少しずつ、歯がしみるなどの症状もなく、色が明るくなったような気がしてきたら、そのまま使用していて問題ありません。それでも歯の色が気になる場合は、歯の詰め物に変色がおこっていたり、歯の表面の部分が薄くなったりひび割れたりしているせいかもしれません。ホワイトニングでどこまで改善が可能か、歯科医院への相談が必要になってきます。

まとめ

ホワイトニングに興味があるけど、なかなか歯科にいけない、という方のための、「ホワイトニング入門」、ホワイトニング歯磨き剤についてお話しました。気をつけてほしいのは、歯磨き剤の1番の役割。それは、「清涼感」でも「歯を白くする」でもなく、「フッ素を届けること」。特に、年齢を重ねるほど、フッ素の恩恵は大きくなっていきます。ホワイトニングは、あくまでも虫歯予防ができた上でのご褒美。歯磨き剤を選ぶ際には、優先順位を間違わずに。すべて兼ね備えたものがなければ、2種類づかいで。
この大きくなりつつあるデンタルケアマーケットの中で、あなたが「理想」の歯磨き剤に出会えることを祈っています!

 

 

 

 

 

 

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