【ペリオ大学】手遅れの方を、どう診ていくか。

こんにちは。歯科医師の松浦直美です。

ペリオとは、歯科用語で「歯周病」の意味。

歯周病は、歯を失うだけではなく、心臓病などども関連がわかっているとても怖い病気です。

遺伝性の特殊なものを除いて、初期から中期であれば十分に治療可能であるにもかかわらず、症状がないために放っておいて手遅れになる方も多いのが現状。

【ペリオ大学】は、この歯周病について、わかりやすく説明するためのシリーズです。

今まで歯の磨き方なんて、教わるものだと思っていなかった

最近いらした新患の50代後半の女性。
歯科には今までも、何か困ったことがあれば時々行っていた、とのこと。

今回歯ぐきが腫れて、どうしようかと思っていたら、当院に通っている娘さんに、「無理矢理」予約された、と苦笑いしながらいらっしゃいました。

診ると、上の歯はあまり残っておらず、その数本残っている歯の一部が歯周病のために腫れて、痛みを感じていました。

歯もとても汚れており、歯石もたくさん。

おそらく、残っている上の歯は全て抜歯しなければならないでしょう。

しかし、下の歯はまだたくさん残っており、歯周病は進んでいるけれど、しっかりと治療すればまだまだ使える歯が多そうです。

まずは、腫れて痛みのある歯の原因が、「歯周病」であることを説明し、歯周病とはどういうものなのか、理解してもらうことからはじめました。ただ・・・、上の歯については手遅れで、腫れが引いたら抜歯しなければならないこともお伝えしました。

初回は、特殊なデザインの歯周病治療用の歯ブラシで、とにかく歯ぐきをマッサージするように磨く「術者磨き(プロの歯磨き)」を徹底して行い、表面のバイオフィルムをエアフローで落とし、抗菌薬の処方をして終了。

2回目、だいぶ腫れが引けていましたので、今度はプロの歯磨きに加えて、ご自分でしっかりと磨いてもらうよう指導をはじめました。

「こんなふうに歯磨きの仕方を教わったのは初めてです。歯磨きなんて、誰でもできるし、教わるものだと思っていなかった」

この後は、数回に渡り、プロの歯磨き、セルフケアの指導と一緒に、歯周ポケットの中のバイオフィルムの除去を行います。

ぐらぐらの歯を、残してほしい。

歯ぐきの炎症が治まって、痛みもなくなると、患者さんはこの歯は抜かなくてもいいのではないかと思いはじめます。実際、この方は一生懸命取り組んで下さったおかげで、歯ブラシもだいぶ上達していました。

しかし、歯周病治療で確実に歯を残せるのは、「中等度」までの歯周病。この方は、すでに残すことは難しい状態です。

しかし、そんな時、私は「じゃあ、最後まで使いましょうか」ということにしています。自分の歯を抜くかどうか決めるのは、ご本人だけ。ただ、状況をしっかり伝えることだけが、歯科医師の役目かなと思います。

幸い、下あごの歯はたくさん残っていますので、まずはこの歯を長く使うことを目標に、歯周病の治療を進めて、メインテナンスに入れたらいいなと思っています。

無理して残したぐらぐらの歯は、そのうち患者さんのほうから「そろそろ抜いてほしい」ということもありますし、力尽きて自然に脱落、ということもあります。

手遅れにならないために

このような患者さんがいらっしゃるたびに、「どうしてもっと早く歯科にきてくれなかったのかな」と本当に残念に思います。

「もっと早くくればよかった」という言葉も、何度も何度も聞いてきました。

歯周病の予防。

それはやはり、若い頃からの適切な歯科メインテナンスに尽きるのではないかと思います。若いうちであれば3ヶ月ごと、などの頻度でなくとも、半年から1年に一度くらいでも大丈夫なこともあります。

自分のリスクや状態にあった頻度で、信頼できる歯科医院を見つけて定期的に歯のケアを行うこと。これが、手遅れにならない唯一の方法です。

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