【相性抜群!ミニマル×ミニマル治療】ホワイトニング× 歯科メインテナンス

こんにちは。歯科医師の松浦直美です。

歯科に携わる人たちの中で世界的に旬なもの。といえばやはり、「Minimal Intervention (ミニマルインターベンション):MI」が筆頭に来るでしょう。直訳すると、「最小限の侵襲」、つまり、歯を削る量や部分を最低限に抑えて、それでも最大限の機能回復や美しさの回復を目指しましょう、という考え方です。当ブログでも、何度かこのミニマルインターベンションを、わかりやすく【ミニマル歯科治療】と名付けて、話題にしてきました。

今回は、ミニマル歯科治療の中でも、組み合わせることでさらに効果が飛躍する、ミニマル治療の「最強コラボレーション」について、お話したいと思います。

Contents

最高のミニマル歯科治療「歯科メインテナンス」

これを治療と言うのか、という議論はさておき、「歯を削らないで歯の健康を維持する」という観点から言えば、やはり定期メインテナンスは最強のミニマル歯科治療を言えるのではないかと思います。

歯科メインテナンスって、どんな治療?と思った方。「歯科治療の正しい順序」をまとめた記事をさら〜っとで良いので、読んでみてください。歯科メインテナンスの位置付けが、よくわかります。

歯科治療が一通り終わってから、定期的に自分では落とせない汚れを落としたり、歯や歯ぐきの状態をチェックするのがメインテナンスです。具体的な内容は、歯科医院によって少しずつ違いはあるかもしれません。当院では、原則として下記の内容で、保険治療の範囲内で行っています。

1。前回のメインテナンスから今まで、なにか気になることがなかったかをお聞きします。
2。歯と歯ぐきの境目の溝(歯周ポケット)の深さを専用の器具で確認する歯周病検査を行います。
3。バイオフィルム(プラーク)を染め出して可視化し、簡単な歯磨きのポイントを確認し、歯科衛生士が歯ブラシで術者磨きをします。
4。歯ぐきの縁より上の歯の部分(歯肉縁上)のバイオフィルムを、エアフローで落とします。
5。歯ぐきの縁より下の部分(歯肉縁下または歯周ポケット)のバイオフィルムを、エアフローや専用の器具で優しく落とします。
6。バイオフィルムを落とした後、歯石があれば除去します。
7。バイオフィルムや歯石を取り除いた後で、虫歯や、心配な部位がないか確認します。
8。今回の状態を踏まえて、次回のメインテナンスのお約束をとります。

歯科メインテナンスは、検査と超ミニマルな治療(バイオフィルムの除去)を一緒に行うもの、というとわかりやすいかもしれませんね。

歯を傷つけずにバイオフィルムを除去する「エアフロープロフィラキシスマスター」はメインテナンスに必須

ミニマル歯科治療の西の横綱。ホワイトニング

全く歯を削ることなく、虫歯や歯周病、そして口臭のもとになる「バイオフィルム」を落とす「歯科メインテナンス」がミニマル歯科治療の東の横綱なら、同じく全く歯を削らずに歯を白く整えていくホワイトニングは、西の横綱と言えます。

ホワイトニングには、大きく分けると次のように分けられます。
1。歯科医院で受けるオフィスホワイトニング
2。歯科医院指導のもと受けるホームホワイトニング
3。街中に増えてきたセルフホワイトニング
4。ご自宅で自分で行うホームホワイトニングやホワイトニングジェルによるホワイトニング

それぞれの詳しい説明は、前回の【白い歯相談室】でお話していますので、ご興味のある方は覗いてみてくださいね。

ホワイトニングは、「過酸化水素」や「過酸化尿素」といった薬剤で、歯のエナメル質(一番外側の硬くきれいな層)のわずかな有機質部分に入り込んで染み付いた着色を取り除き、さらに「ポリリン酸」「酸化チタン」などの成分で歯の表面の汚れを浮き上がらせて取り除くことで、歯を白く明るくしていきます(細かな成分はメーカーによって多少違いがあります)。

歯科以外で行うセルフホワイトニングなどでは、過酸化水素を使用することができないので、表面の汚れを落とし本来の歯の白さに近づける効果が主なものになります。

ライフスタイルや目的によって、歯科で行うホワイトニング、もしくはご自宅でホワイトニング効果のある歯磨き剤を使用するなど、選択するホワイトニングの種類は違うかもしれません。

しかし、ホワイトニングのきもは、「継続」です。

効果が一番高いとされる歯科でのホワイトニングでも、白さの「上限」はあります。しかし、どのようなホワイトニングを選ばれても、継続していくことで、少しずつあなたの歯は白さを重ねていき、白さを長い期間保つことも可能になります。

最強のミニマル歯科治療を組み合わせる!

私の考える最も理想的な歯科との関わり方は、「必要最低限かつ最大効果のある関わり」です。

それには、虫歯や歯周病のない状態で、小さな頃から「歯科メインテナンス」に入れるのが一番良いのですが、なかなかそうもいかないのが現代の日本人。特に、比較的年齢が高くなってから、通い始めた歯科で、生まれて初めてメインテナンスの重要性を聞くことになった、という方もまだまだ多いかと思います。

初診のお口の中の状況にはよりますが、歯科治療を終えてメインテナンスに入ることができた方は、これからでもそんな「最低限で最高の関わり」ができることが多いです。その一つが、「定期メインテナンス」と「定期ホワイトニング」の組み合わせです。

定期メインテナンスを続けるだけでも歯は明るくなっていきます。天然歯はもちろん、ホワイトニングでは白くできない人工の被せ物の汚れも、エアフローなどの秀悦な機材で落とすことができます。それに、定期的なホワイトニングを組み合わせます。

ホワイトニングは、歯科でのオフィスホワイトニングやホームホワイトニング、もしくは街中のセルフホワイトニングやホワイトニング歯磨き剤など、歯科で検診を受けながら行うのであれば、どれを選んでも良いと申しました。しかし、歯科で受けるホワイトニングはやはり効果が高く、歯の内側から白くしていくため、「ホワイトニング生活」を始めるための最初のリセットとして、もしくは年に数回の「ブースター」として行うのもおすすめです。「この状態をキープしたい」と、毎日の歯磨きにも精が出ること間違いなしです。

まとめ

「最低限で最高の関わり」を可能にする、【ミニマル×ミニマル治療】。1回目は、メインテナンスとホワイトニング。この最強コラボのご紹介でした。

初めは治療で一生懸命通っていた患者さんが、その後歯科に来るのは、この2つのアポイントの時だけ、という状況をずっと続けることができれば、本当に担当医としても歯科医師冥利に尽きる、というものです。
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3〜6ヶ月ごとの歯科メインテナンス ×  数ヶ月に一度の歯科ホワイトニング = 最強!!

 

 

 

 

 

 

 

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