【審美歯科大学院】ロンドンで、フェイシャルエステティックを学ぶ

こんにちは。歯科医師の松浦直美です。

ここ数回にわたってこのブログでもご紹介してきた、審美歯科を学んでいるオンライン大学院教育の一環あるロンドンでの7日間の講習が無事終わりました〜(ぱちぱちぱち)。あ〜しんどかった。

しかし、実はその一連の講習とは別に、最後の日にもう一つ、申し込んでいたセミナーがあります。

それは、「Facial Aesthetics」、フェイシャルエステティックスという名のセミナーで、内容は「ボトックスとヒアルロン酸」を使った美容施術のセミナーです。

え、歯科医師がボトックスやヒアルロン酸!?

驚く方もいらっしゃるかもしれません。しかし、イギリスでは、歯科医師はお口周りだけではなく、お顔全体の 「injectables」すなわちボトックスやヒアルロン酸といった「注入治療」をすることが認められていて、多くのセミナーが開催されています。

噛み合わせなどの歯科と、お顔の形はとても関連性があり、歯科医師こそ、このような形で複合的な治療をするべきだ、という考え方です。

日にちが合えば、ぜひ受けてみたいと思っていたセミナーだったのです。

美容クリニックに併設された研修施設。

 

Contents

注入治療とは

先ほどお話しした通り、注射器を用いて施術する「ボトックス」や「ヒアルロン酸」を用いた治療を、注入治療と言います。

ボトックスもヒアルロン酸も、しわ消し治療、というのは何となく聞いたことがある方が多いかと思います。

ボトックスは、筋肉の動きを弱める作用がある歌目、筋肉の強い動きによってできてしまったシワ(眉間やひたい、目の周りなど)を目だなくする作用があります。歯科ではそのほかにも、強い食いしばり癖のある方の「咬筋」というあごの筋肉にボトックスを注入することで、噛み締めや食いしばりを防ぎ、歯や顎を守ることを目的に使用されることもあります。

それに対し、ヒアルロン酸は、筋肉の動きと関係なく、加齢による頭の骨の萎縮にともない筋肉がたるんでできる「しわ」や「くぼみ」を、内側からふっくらさせる目的で使用されます。ボリュームの下がった頬のあたりや、ほうれい線などによく使われます。

両方をうまく組み合わせることで、歯科治療やホワイトニング、義歯などで美しくなった口元を、さらにきれいにすることができるのです。

歯科とフェイシャルエステティックスの素敵な関係

フェイシャルエステティックスは、なんと今回受けたKings College London の審美歯科コースの2年目の正規のカリキュラムに入っています。

正式な大学院のコースにこのような科目が入っていることに初めはとても驚きましたが、そのうち「なるほど」と深くうなづきました。

正直、ボトックスやヒアルロン酸などの「美容治療」は、医療とはかけ離れており、施術する方も受ける方もちょっとおおっぴらには言いにくい、ようなイメージを持っていました。

個人的には、50代の半ばになって、ボトックスはそろそろ考えたいなと思っていたところではありましたが、何となく抵抗もありました。

しかし、前歯や噛み合わせを直したり、矯正治療をしたり、義歯を入れることでお顔全体の雰囲気が大きく変わる歯科治療は、実は医療であると同時に、美容治療でもあるんですよね。

それを考えれば、歯科治療の最後に、補完的に「ボトックス」で口元やアゴのしわを目立たなくしたり、ヒアルロン酸を使ってほうれい線を少し目立たなくさせることは、消して悪いことではなくむしろ効率的で、意義のあることなのです。

下は、歯科医院で行うべきフェイシャルエステティックスです。(当院では現在一番下の治療以外はまだ行っておりません)

* ほうれい線の治療(歯科では、年齢を重ねてから行った矯正治療や噛み合わせ治療のあと、ほうれい線が気になるようになることがあります)
* 口を閉じるとでてしまう顎の梅干し状のシワ
* ガミースマイル(笑うと歯茎がでる)の改善
* 年齢を重ねて痩せたリップをごく自然にボリュームアップ
* 噛み締め癖や歯軋りで厚くなったエラの筋肉の力をボトックスで弱め、歯を守るとともにエラを小さくする

上記はすべて、患者さんのお口の中の状態をしっかりと把握した歯科医師が歯科治療やメインテナンスと一緒に行ってこそ、効果が高まります。

外国での1日研修を終えて。イギリス人の顔にボトックス注射を打って思ったこと

実際の処置室兼研修室。次から次へと患者さんが入っていきます。

さて、研修の話に戻ります。

実際の研修では、まずは半日かけて、注入治療の概念や実際のやり方をマネキンを使って練習します。

午後は、受講者一人につき1人の患者さんに、先生の指導のもと、実際に施術する実地研修がありました。もちろん、患者さんは「初めて打つ」人に施術されることをご理解の上、大きなディスカウントを受けているそうです。

この学校のある場所は、ロンドンのど真ん中、金融発祥の地、そしてイングランド銀行があるその名も「Bank」という駅のすぐそば。

このエリアには初めて来ましたが、お堅い銀行のイメージとは全く違う、本当におしゃれで、モダンなオフィスビルが立ち並ぶ夢のような場所でした。

その中にある美容クリニックであり、研修施設でもあるこの学校には、本当に多くの患者さんが途切れることなく入れ替わり立ち替わり訪れていました。

私の担当になった患者さんは、60代くらいの上品な女性。しかしそのほっそりとして見た目とは裏腹に、「リフォーム会社」に勤めていて、毎日大工仕事のような肉体労働をこなしているのだとか。

彼女は、1年に2〜3回ほど定期的に訪れているらしく、今回は目元とひたいのボトックスの他に、ほうれい線が浅くなるヒアルロン酸治療をしたいとのご希望がありました。午前中に講義とマネキン実習で習いたての知識をもとに、なんとか施術完了。

患者さんには、「歯医者さんだから、とても上手ね」と褒めていただきました。

自分に施術するにはちょっと抵抗があった「注入治療」。大都市ロンドンのど真ん中とはいえ、平日からこんなに患者さんが訪れていることにおどろき、多くの方にとって、定期的に訪れる気軽な美容院のような感覚になっているのかもしれないな、と思いました。

ほうれい線を浅くするマッサージだの、顔の運動だの、棒のようなもので押すなど、ちまたには本当に多くの美容法や情報が溢れています。そのような方法で気になる部分が改善されるのであれば、それはそれで素晴らしいこと。

しかし、プロによる「医療の手助け」を借りて、ちょっとだけ楽をして、自然で確実な回復ができるのであれば、それはまたスマートで、良い医療の使い方だと思うのです。

指導の先生とニコニコとおしゃべりをして、颯爽と帰っていく女性を見て、そんな気持ちになりました。

それにしても、歯科医師でありながら、おでこだの目の周りにしわとり注射をする(しかも外国で、外国人に!)などという体験はイギリスならでは。国が違えば考え方も法律も違うのだから、本当に興味深いものがあります。

素晴らしい経験に感謝。そして、この治療と歯科との相性の良さも確信しました。この経験を何らかの形で生かしていきたいなと思った貴重な1日となりました。

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