第14回 歯科医師夫婦のつれづれ手帖〜より安全、安心な治療のために

歯科医師夫婦のつれづれ手帖は、歯科医院を共に営む夫(真面目なのでここではマジオ君)とともに、医院を訪れる患者さんに自分たちの人となりを知ってもらいたいという気持ちから、2014年から書き始めた小さな文章。
なんだかんだで続いています。
ルールは2つだけ。
1 必ず毎月、どちらかが書く。
2 内容は、歯科治療以外のこととする。

歯科医師夫婦のつれづれ手帖Vol 14  より安全、安心の治療のために

お口の中には300~400種、数千億の細菌が住んでいるともいわれます。実は、体の出口である肛門よりも汚い!?のです。粘膜に傷があったり歯周病で出血があれば、歯科治療により一時的に細菌が血管中に入り込みます。全ての菌が悪玉菌ではありませんし、健康な人で問題になることはほとんどありません。しかし、病気などで免疫能力が衰えている人では、重篤な全身感染症を引き起こす可能性があります。我々歯科医療従事者は、受診者の口腔細菌数を減らす努力をするとともに、より無菌的に治療を行える環境を整備する必要があります。それが、患者さんのみならず、われわれ自身を守ることにもつながります。

さて、歯を削るときやうがいのときなど、歯科治療には多くの水が使われます。これらの水は無菌であることが望ましく、さらに除菌効果があれば言うことありません。そんなお水があるのです!!しかも、高純度の塩と水を電気分解して作るもので、殺菌力は強力ですが、毒性はありません(この水の成分である次亜塩素酸は、人間の血液にある免疫成分です)。この水を使用することで、歯周病を改善したり、抜歯後などの傷の治りがよくなる等の効果も期待できます。

この「連続除菌治療システム」を導入するため、7月の連休に院内工事を行いました。さらに常勤スタッフ全員で、その水を利用した「口腔ケアと飛沫感染対策知識習得コース」を受講してきました。うだるよな暑さの東京で、5時間におよぶセミナーは大変でしたが、治療に直結した多くの知識を得ることができました。

嬉しかったことがもう一つ。セミナーで疲れた体に、一刻も早くエネルギー(別名ビールともいう)を注入したくて、私は急いでエレベーターホールにむかいました。しかし、当院スタッフがなかなか来ません。どうしたものかと戻って見ると、セミナー講師を捕まえ熱心に質問しておりました…。その後、参加したスタッフ全員で、十分にエネルギーを注入いたしました(笑)。(MDCニュースレター2015年8月号より)

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