フロリダ路線バスの旅 〜第47回 歯科医師夫婦のつれづれ手帖 番外編

歯科医師夫婦のつれづれ手帖は、2010年から歯科医院を営む夫婦が、医院を訪れる患者さんに自分たちの人となりを知ってもらいたいという気持ちから、2014年より院内新聞の一角に書き始めた小さな文章。
なんだかんだで続いています。
ルールは2つだけ。
1 かならず毎月、どちらかが書く
2 内容は、歯科治療以外のこととする

第47回(番外編)フロリダ路線バスの旅

セミナー参加のため、4月にフロリダを訪問したことは先月号に記載した。

今月はその番外編である。3日間のセミナー終了後、参加したほとんどの先生は翌日帰途についたが、私は1日だけゆっくりして帰ることにした。しかし、おじさんが一人ビーチで波と戯れてもあやしく、そして悲しいだけである。

「地球の歩き方」で調べたところ、ホテルから車で40分ほどのところに「ダリ美術館」があるではないか!たくさん勉強した後に美術館を訪ねるとは、なんと高尚ではないか!

というわけで、行先は決まった。次はどうやって行くかである。

今回の旅行で非常にお世話になった「ウーバー」(スマホで呼び出せる配車システム)を利用すると、片道40ドル位の様だ。路線バスを乗り継いで行く方法もありそうだ。

一路線2ドル25セント、二路線利用で5ドル弱。時間は2時間ほどかかるが、フロリダの海岸線に沿って南下するので景色も楽しめそうだ。急ぐ旅ではないので、行きはバスを利用することとした。

スマホの「グーグルマップ乗換案内アプリ」を利用すると、バス停も所用時間も知ることが出来る。

最寄りのバス停で待ってると、予定より少し遅れてきれいなブルーのバスがやってきた。こわもての黒人運転手で英語は聞き取れなかったが、なんとか料金を支払い右側後方の席に座った。

安心したのもつかの間、南下すると思ったバスは北上し、今度は東の市街地方向へ…。何路線か存在し、朝は市街地を一回りしてから南下するらしい。結局30分ほどで元のバス停に戻ってきてしまった…。

しかし、その後は順調に運行し、広い窓からフロリダの美しい海岸線や街並みをゆっくり楽しむことが出来た。日本のバスと違い、降車ボタンがない。他の乗客を観察したところ、社内壁面や窓に張り巡らされている細いロープ状のものを引いて知らせるシステムらしい(写真参照)。真似して引っ張ったところ、ちゃんと停車してくれた。

やっとのことでたどり着いた美術館は、期待以上に素晴らしく、特に壁一面を覆うほどの大きな作品は圧巻であった。その後、トロピカーナ・フィールド(野球場)等、街を散策したのち、「ウーバー」を利用しホテルに戻った。帰りは30分ほどで、あっという間であった…

ドキドキの路線バスの旅だったが、テレビ番組の様に地元の方と触れ合うことが出来なかったのがちょっと残念。英語を勉強し、是非リベンジをしたいと思う。

大混雑のダリ美術館

(文: 松浦 政彦)

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