【ペリオ大学】30代の歯周病は、〇〇利用者よりも多いって本当?!

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30代の多くの方は、〇〇よりも歯ぐきに注意!

こんにちは。歯科医師の松浦直美です。

先日、日本歯科医師会が発信している「歯の学校」というメディアを見ていたら、ちょっと面白くて、わかりやすい数字がありましたので、今回紹介しようと思います。

総務省では、毎年「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」を行なっていて、実にさまざまな調査の結果がホームページに載せられています。

その結果によると、30代で歯周病に罹患している人の割合が、同じ年代でソーシャルメディアの〇〇を使用している人よりも、多かった!というのです。

〇〇に入るソーシャルネットワークシステムの名前は、「インスタグラム」。

令和3年の調査では、30代の57%がインスタグラムを利用しており、これには30代で歯周病または歯肉炎に罹患している人(70%)よりも、少ない数字。だから30代になったら、インスタもいいけど歯周病のチェックにもいきましょう!というお話。

以前このブログでもお話ししましたが、30代で歯周病のある人が7割だの8割だのという数字は、少し大袈裟ではあります。実際、厚生労働省の調査によると、30代で歯周病にかかっていると思われる人の割合は50%弱。インスタグラム利用者より少し少ないくらいで、30代のフェイスブック利用者(44.8%)より多い、という方が正確かもしれませんね

個人的には、少し大袈裟ではありましたが、歯科医師会のこの「比較」はなかなかユニークで、わかりやすいな、と感心しました。

とは言え、30代というまだまだ「若い」年代でも、50%近くの方が歯周病にかかっている、という数字はやはり心配なものです。しかも、同じ厚労省の調査では、検査で「歯周病」と診断された人のうち、「出血」「痛み」「腫れ」などの自覚症状のある方は、30代では13%ほど、もっと罹患者が多くなる40代、50代でも同じく13%~17%ほどの方しか自覚がありませんでした。

自覚が出てくることには、かなり歯周病が進んでいるか、もしくはかなり進んでいても自覚はない、ということになりますので、これは本当に心配無ことだな、と思います。

30代からの歯周病対策が、将来の美しい口元を決める!

自分の歯ぐきが健康なのかどうか。自覚の少なさから言っても、やはり歯科医師に診てもらうしか、正確に診断する方法はありません。

30代〜40代の、まだ歯周病が始まったばかりの状態では、見た目にも明らかな変化はなく、気にしない方が多いのが実情です。

しかし、歯周病が進むと、少しずつ歯を支えている骨が溶けて、その上を覆っている歯ぐきが骨と一緒に痩せてきます。つまり、歯ぐきが下がって、歯の根本が見えてきてしまうのです。

このような状態になる前に、歯周病の進行を食い止め、歯ぐきが下がったり、歯の根元が露出するという「残念な状態」を回避できるかどうか。それは、この頃(30〜40代)からの意識にかかっていると言っても過言ではありません。

下がってからでは遅い。歯ぐきをしっかりキープ!

まだまだ歯周病の「入口」にいることが多い30〜40代の方であれば、今から対策することで、健康な歯ぐきを高齢になってもキープできる可能性は十分にあります。

特別なことはなく、ご自分の「歯周病が心配な部位」を歯科医院で確認してもらい、自分に合った歯磨きの方法を続けること。そして、歯周ポケットの汚れを定期メインテナンスで定期的に取り除いておくこと。

こんな簡単なことの繰り返しで、特殊な歯周病を除けば、多くの方が歯周病の進行を回避できます。

同時に、健康なピンク色の歯茎を高齢になるまでキープできるのですから、これほどお金がかからず健康的な「審美歯科」はありません。

高齢になって、口元に「老け」を感じるのは、くすんだ歯の色と、歯周病でながく伸びてしまった歯。色は後からなんとかできますが、歯周病だけは、手遅れになってしまうとできることはあまりないのです。

まとめ

今回は、30代の「インスタグラム」や「フェイスブック」を使用している人よりも、歯周病にかかっている人が多い!という歯科医師会のユニークな視点をヒントに、30代からの歯周病対策について、まとめてみました。

早くから歯に気をつけていれば。

そんな50代、60代の方々の嘆き節は、他人事ではありません。歯周病をしっかりと見てもらえる歯科医院を見つけて、早めの対策を、お勧めします。

 

 

 

 

 

 

 

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