【ミニマル×ミニマル歯科治療】ミニマルの組み合わせで削らず白い歯が出来上がる。

ミニマル歯科治療(Minimal Intervention)は、組み合わせで効果を発揮

こんにちは。歯科医師の松浦直美です。

【ミニマル歯科治療】は、今世界的に「標準」になりつつある「Minimal Intervention(ミニマルインターベンション:最低限のダメージで行う治療)」をわかりやすく説明するためのシリーズです。

このミニマル歯科治療、歯をあまり(またはほとんど)削らずに治療を行うことで、大切な歯の組織を守り、長く使っていけるように、というのが根本の意義。

広義でいえば、歯を傷つけないメインテナンス(当院で行っているGBTメインテナンスなど)やホワイトニングも、ミニマル歯科治療と言えると思います。

その他、最低限の歯の切削で白い樹脂を詰める「ダイレクトボンディング」、なるべくエナメル質を残した形で被せる最新のセラミック治療、そして先日ご紹介した低粘性の樹脂を使って歯の「しみ」を消す「アイコン」などが、ミニマル歯科治療の筆頭にくるでしょう。

そして、このミニマル歯科治療の特徴として、「組み合わせて使うとさらに相性がよく相乗効果が得られる」という点があげられます。

ミニマル歯科治療の組み合わせNo1 はやはり

ミニマル歯科治療として、組み合わせられる治療はたくさんあります。

しかし、すべての治療に組み合わせてほしいミニマル歯科治療の筆頭に来るのが、「ホワイトニング」です。

ホワイトニングは、ミニマル治療だけではなく、どんな歯科治療においても、歯周病治療などの初期治療が終わったら、被せ物などの治療をする前に終わらせてほしいなと思っています。

ホワイトニングをすることで、歯を削ってかぶせ物をしたいと思っていた黒ずんだ歯が明るい色を取り戻し、「先生、私やはり被せ物しなくていいわ」となることは結構あります。

また、治療する予定の歯であっても、事前にホワイトニングをすることで、新しい詰め物やかぶせものが、2〜5段階も白い色を使用することができるようになり、色合わせも容易になります。

ホワイトニングと特に相性のいい治療は、「ダイレクトボンディング」という白い審美材料を歯に直接接着させる修復法。歯をあまり削らないため、自分の歯の色が多く残る「ミニマル治療」は、治療前にホワイトニングをしておくことは美しい治療結果を出すためにも、本当に有効です。

ダイレクトボンディングのとても良い適応である、歯と歯の間の隙間を埋める「空隙閉鎖」という技術を、ホワイトニング後に施術した例をご紹介します。

緑の部分を少しだけ削り、グレーの部分に審美材料を接着します。計画が決まったら、ホワイトニングから。

ホワイトニングした歯に合わせて、歯と歯の間の隙間を「ダイレクトボンディング」で修復。

どうでしょう?

ホワイトニングにより、審美材料をボンディング(接着)していない部分の歯も色が明るくなり、口元が一気に明るくなりました。

ホワイトニングは、メインテナンスをしながら数ヶ月に一度、繰り返すと色が定着してきます。また、ダイレクトボンディングも、時間とともに軽い着色や表面性状の劣化が見られることもありますので、やはりメインテナンスが必要です。

このように、定期的な「手入れ」や「チェック」が必要であることを理解いただいた上で、歯をなるべく削らずに美しく治療する選択をする方が増えています。歯を削らないことが、なんといっても歯を長持ちさせる最大の秘訣だからです。

次回は、私がおすすめするもう一つのミニマル治療の組み合わせ、「ホワイトニング」と「アイコン」について、お話しします。


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