ミルクティーとアーティスト その2

画家の古い友人、田口さん(通称あっちゃん)のお家を久しぶりに訪ねたお話の続き。

52歳で画家の旦那様と結婚するまで、あっちゃんはずっと独身で、英語教師の仕事と画家としての活動を並行していました。そのせいか、いつまでも少女のような雰囲気で、形や制度にとらわれず、自由に自分の世界に生きている、という方。右の赤い服があっちゃん。母と並んで、なんだか可愛らしい傘寿ペア。

ある時、「カフェ フローラ」というプレートが突然家の前に掲げられた時には、「喫茶店でも始めたのかな」と思ったのですが、別にそういうわけでもなく、ただ、友人たちが集まる空間、という感じでした。 遊びに行ってご馳走になる飲み物は、相変わらず無料(笑)。現在も、「カフェ」のカウンターは健在で、全体的に古ぼけたものの、あの時のままの素敵な空間です。

アーティストの部屋はドキドキ

絵がたくさん置いてある奥の部屋に行ってみると、タンスの引き出しが少し開けられて、そこにも絵が一枚。こんなことが、普通にやられているからいつも驚かされるのです。

実は数ヶ月前に足を骨折し、しばらく入院し、歩けなかったあっちゃん。リハビリも終わり、やっとこうやっていつも通りの生活を取り戻しつつあるのですが、大変だった入院中の手書きの文章が、小さな額に飾られていました。この、形にこだわらない字といい、自由で明るい文章といい、本当にあっちゃんらしい。敬愛する本物のアーティストは、やはり、すべてがアートでした。いつまでもお元気で!!

 

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