ツキヌキニンドウの話 〜第94回 歯科医師夫婦のつれづれ手帖〜

歯科医師夫婦のつれづれ手帖は、2010年から歯科医院を営む夫婦が、医院を訪れる患者さんに自分たちの人となりを知ってもらいたいという気持ちから、2014年から院内新聞の一角に書き始めた小さな文章。
なんだかんだで続いています。
ルールは2つだけ。
1 必ず毎月、どちらかが書く。
2 内容は、歯科治療以外の事とする。(時々ルール違反あり)

第94回 ツキヌキニンドウの話

医院の前に小さな花壇を設置してもう4〜5年になります。 たくさんの花が咲き乱れるこの季節は、このつれづれ手帖でも、小さなガーデンの話をするのが恒例になりました。

忙しさにかまけて世話を怠り、一時期は何も植えず土を晒していた時期もあった花壇ですが、患者さんや近所の皆さんの応援のおかげで、院長と一緒に毎年植え替え、植え足しをしてたくさんの植物を 楽しむようになりました。ただ、一面に壁を這うツル植物に憧れて設置したアイアンのトレリス(格子)は その役目を果たさず、「駐車場のお知らせ」なんていうチラシをぶら下げるのに使われています(笑)。

つる植物といえば、2年前、茂った植物の枝葉を整理しようとハサミを使っていた際、誤って根本からちょん切ってしまった「ツキヌキニンドウ」。花まであと少し、というところまで順調に蔓を伸ばしていたの に、無惨に切られた根本から一時期は葉を再び伸ばしたものの、すぐにまた枯れてしまいました。

あわれ、ちょん切られたニンドウ

 

そのニンドウが、また緑の葉を出していたのを発見したのは昨年の春。その年は、葉を出しただけで 終わり。それが、今年なんと、つるがさらに広がり、蕾をつけていたのです。初めての花を見られたの は今年の連休後。2年越しの花との出会いに、今度こそトレリスに絡まるつる植物が見られるか!?と 期待です。健気で強いニンドウの花、玄関を出た左にあります。お帰りの際は見ていってくださいね。(2022年 MDCニュースレター6月号より)

2年越しに、綺麗な花が見れました!

令和4年の花壇、それから

本文にも書きましたが、当院の花壇を見て、可愛がったり、心配してくれたりしてくれている方は多いのです。

患者さんはもちろん、上のマンションに住んでいる方々、お隣のランドリーのスタッフさんなど、いろいろと心配してくれます。

数年前、水やりを忘れて、園芸店の方が植えてくれた風知草(ふうちそう)を2年連続ですっかり枯らしてしまった時には、患者さんが見かねてご自宅に植えている同じ植物を株分けしてくださいました。これは枯らしてはならないと、しっかりと植えて水を忘れないようにし、それ以来3代目風知草は、毎年元気に青々とした涼やかな葉を茂らせてくれています。

今年になり、ニュースレター6月号の原稿を書いた直後に、ツキヌキニンドウを挿木して増やしたものを、小さなポットに入れて持ってきてくれた患者さんもいました。「あら、今月はこのお花のことをニュースレターに書いたんですよ!なんという偶然」ニンドウだけではなく、その方のお庭にいるネジバナなどの可愛らしい植物も、その小さなポットに植えられていました。

いただいたツキヌキニンドウは、ニュースレターで話題にしたもの(黄色)と違って燃えるような赤。早速、担当した衛生士が花壇に植え込んでくれました。来年は大きくなって、トレリスにしっかりと這い上がってくれることと思います。

 

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